2013年1月8日火曜日
チャリオンの影
ヴォルコシガンサーガのビジョルドが綴る中世ファンタジィ三部作。
今作はチャリオンの影、影の棲む城、影の王国という影シリーズ(実際には五神教シリーズ)ともいうべき中世ファンタジィ三部作の一作目にあたる。舞台はイベリア半島を上下反対にしたような地勢で、北方沿岸に四神教を奉じる五公国があり、その南方に五神教を奉じるチャリオンらの国々があって南北で長年対立しているという状況。
主人公はしょっぱなから尾羽打ち枯らしたみすぼらしい格好で現れ、寒さと疲労、空腹、さらには大怪我も満足に癒えてないというなんとも読んでいてつらい鬱々とした状況で物語が進行する。今作はヴォルコシガンであったような軽妙さは鳴りをひそめ全編そのように疲労や前方にたちこめる暗雲がこれでもかと描写されるので陰鬱な雰囲気が充満している。そのため主人公が華々しく活躍する活劇のようなものはなく、どちらかというと忍従を強いられる展開の連続となっている。
舞台設定はビジョルドらしく五神教やそれにまつわる風俗、風習にいたるまで大変によく作りこまれていてチャリオンの世界を堪能させてくれる。
全体としてすかっとする話ではないながらさすがの筆力というかぐいぐいとひきつける魅力は健在で次へ次へと先が気になって仕方が無かった。二作目の影の棲む城は陰鬱さが薄れ軽妙さが増すので面白さが倍増している。三作目は未読。
2012年12月19日水曜日
Far Cry 3
南国の島を舞台に犯罪者たちに拉致された兄弟、友人たちを救うために戦うオープンワールドのFPS。
南国の広大なフィールドに敵、味方、山、海、川、乗り物、動物、草、宝物などが散りばめられていて、その上に本筋とは関係のない多数の暗殺ミッションやら、ハンティングミッションやら、レースミッションなどのミニミッションが提供されていてその数はとても多い。
また本筋のほうもとても魅力的な敵キャラがいてぐいぐいと話へと引き込んでくれる。
とても秀麗なビジュアルの南国の島が舞台なので全体的にJust Cause 2に似ている箇所があるけれど、こちらのほうがよりできることが多いので飽きることなく最後までプレイできた。
タイのほうの南国の島という設定らしいのでWW2のときの日本兵の手紙が残されているのはよいけれど、中国の遺跡とかがでてきたのには笑ったwどの王朝の時代だよww
FPS自体のできも悪くなく、経験値をためて獲得できるようになるスキルでどんどん強くなっていくRPG的要素や、狩りで手に入れた動物の皮からものを作ったり、と色々な楽しめる要素がうまいこと盛り込んである良作だった。
※注意
アジア版のせいなのか、日本でプレイしているせいなのか、本作起動時にUPlayネットワークとやらに接続にいったまま延々とつながらなかったのでXBOXのInternet接続をきってから起動したらプレイできたので、同じ状況に陥ったら試してもらいたい。
Hitman Absolution
あらゆる点で進化したHitmanシリーズの最新作。
基本的に色々な設定で暗殺ミッションを繰り返すだけだった前作までとは違い、今作はしっかりしたストーリー仕立てで登場人物達も癖の強いのが次々と現れるので飽きずに先へと進められる。
プレイ自体は前作までで不満だった点がほぼ改善されていて、標的や敵との位置関係を確認するのに毎回地図画面を開かなければいけなかったのが今作はInstinctという機能で敵の姿を壁を通して確認できたり、忍び歩きがやたらと遅かったのが普通の速さになってたり、どのような特別な殺し方がミッションごとに用意されているのかを簡単に確認できるようになったりなどなど、親切設計が行き渡っていてプレイ内容以外でストレスを感じることはほぼない。
またアクション自体もよくできていて、スニークするだけではなくおおっぴらに銃撃戦を繰り返して目的を遂げるのもまた面白いと思えるできで色々な楽しみ方ができる。
不満な点は日本版の正式リリースがまだなせいか現状日本ではContractモードがプレイ不可能になっている。北米ではRedeemコードもなく無料でプレイできるようになっているらしいけれどいまだにコードを求められるし、DLCでコードは無料で購入できるという話もあるけれど日本からはできないようだ。
2012年11月12日月曜日
Dishonored
無実の罪を着せられた男がスーパーパワーとともに復讐を果たしていく物語。
Skyrimをもっとアクション寄りにして、昔のスプリンターセルのように高所や暗所に潜みつつ、邪魔な敵キャラを暗殺したり、スーパーパワーで蹴散らしたり、やり過ごしたりと色々できるステルスアクションゲーム。スーパーパワーには瞬間移動(Blink)や、敵の動向を壁越しに確認できるもの(Dark Vision)、動物や人間に憑依(Possession)したり、身体能力を高め(Agility)たりと全部で10種類の技能があり、自分のプレイスタイルにあわせて選択すればよい。パワーの獲得にはRuneと呼ばれるプレイ中に拾うアイテムが必要なのでよく考えて取捨選択する必要がある。ステルスでやっていくならば、Blinkのレベル2とDark Visionのレベル2がそろえばほとんどの場面で敵をやり過ごすことが可能になるので、Runeを他の技能に無駄遣いしないほうがよいだろう。あわせて時間をとめるBend Timeのレベル2が手に入ればステルスで困る場面に遭遇することはなくなると思う。
難易度はEasyからVery hardまで4種類あり、おもに敵の強さと敵の気付きやすさが変わるだけのようで、Very hardでプレイしてもステルスでやっていく分にはあまり大差がなかった。Normalでやっていても敵に発見されて複数人にかこまれるとなぶり殺しにあったりするので、そこらへんは注意しなければならない。
邪魔な敵はすべて殺さなくても気絶させてやりすごせるので、後ろから首を絞めて気絶させたり、麻酔矢で眠らせたりした後に敵を物陰に隠しておけばミッションクリア後の評価でLow Chaos(搭乗人数の20%以下の殺人)、No Kills(誰も殺していない)、Ghost (誰にも発見されていない、死体や気絶している人も発見されてない)を獲得できる。Chaosの上下によって会話や敵の配置、ストーリーの結果が変わるので色々と試すとよいだろう。
Emilyは画像で見ると可愛いけれどモデリングは残念な感じなのがいかにもBethesdaっぽい。読み込みも速くサクサクとゲームが進んでいくのでイライラすることはほぼなかった。ただどこかに忍び込んだりするには各施設で進入経路が大体2つ(敵の前面か裏面 - 軒伝いの2階、または裏口、または鼠になる)ぐらいしかないのでさほどバリエーションがあるわけではなく、Hitmanみたいな自由度があるのかと思っていたので少し残念だった。ただ全体的にはとてもよくできているので手にとって損のない作品だ。
~ミッション評価のからくり~
・Chaos
全体を通して敵登場数の20%以下の殺人だとLowになる。
・殺人
Arc Pylons、Wall of Lights、Wtchtowersでの殺人もカウントされる。
Wolfhound、Rats、Hagfish、River Krustは殺してもカウントされない。
Weeperは殺すとカウントされる。
・発見
赤い発見マークが表示された場合はカウントされる。
Rats、Hagfish、River Krustに見つかってもカウントされない。
Wolfhoundに見つかるとカウントされる。Wolfhoundの死体が見つかってもカウントされる。
Weeperに見つかってもカウントされる。
フレンドリーキャラクターに見つかってもカウントはされない。
2012年11月2日金曜日
ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~
滅びの予言を回避するために不死の男が100年間部隊を率いて各地を転戦する話。
何よりも音楽が秀逸。今作のPVはゲームPV史上でも指折りのできで未見の人は是非観てほしい。サントラが欲しいけれどまだ出ていない模様。なぜだろう。
ゲーム内容は団員同士が結婚するように隣同士、前後などに配置して親密度をあげて結婚させて子供を生ませるなどをしつつ、各地にあらわれるモンスターをしらみつぶしにつぶしていく、ということを100年間続けていく。全体として、前半50年まではイベントも多く面白いけれど、後半の50年はイベントも少なく、ぼこぼこと湧き出るモンスターをただ討伐していくだけの展開でプレイ時間だけがだらだらとかかるのでつらい。また前半で優秀な職種の子供達が得られないとここらへんから展開がきつくなり普通に詰む結果になることも。なので前半から団員の職種、寿命、結婚、出産はよく吟味、考慮して計画的に行っていないと「クソゲーかこれは!」という事態に陥る。さらに優秀な子供達が出てくれば出てくるで、いままであった戦略的な戦闘配置などは不要になり、ゴリ押しでモンスター討伐が可能になってしまうのでそれもゲームを単純化させる一因となっている。
せっかくの出産システムも子供達が成人して入団してきても血統的なつながりを確認するすべがないことから団員への思い入れを刺激することができず、本当の作業になってしまったのが残念だった。せめて家計図やら、子供達の姓は名前・母の姓・父の姓となるようになっていれば「おー、こいつはあいつらの子供なのかー」とか分かって面白かったのになぁと惜しまれる。
ベースとなっているアイディア自体はすこぶる良いのに、それの調理方法に失敗している印象の今作だけれども全体としては良ゲーの部類に入ると思う。人物の深みがいまいちない(数百年生きてる人間があんなに軽い感じなのはいかがなものか)とか、シナリオが軽い(街の住人たちの物語への関わり方とか理由付けがご都合主義すぎて説得力が皆無)とか、ほかにも微妙な点は多々あるけれど、総合的にみて手にとって損のない作品であることは確か。
~下記簡単な職種別結婚のすすめ~
※「断絶」となっている職種は切り捨てるべし
戦士 →断絶
僧侶 →断絶
剣闘士 →断絶
騎士 →断絶
アーチャー →ヴァルキリー
幻術師 →魔女、ニンジャ、巫女、聖騎士
サムライ →魔女、ニンジャ、巫女、聖騎士
冒険者 →魔女、神官、聖騎士
魔術師 →魔女、神官、聖騎士
祈祷師 →魔女、ニンジャ、聖騎士
魔騎士 →誰とでも(強いてあげるなら魔女、神官、聖騎士)
神官 →魔術師、冒険者、魔騎士
魔女 →魔術師、サムライ、冒険者、魔騎士
ヴァルキリー →アーチャー
ニンジャ →幻術師、祈祷師、サムライ、魔騎士
巫女 →幻術師、サムライ、魔騎士
聖騎士 →誰とでも(強いてあげるなら魔術師、冒険者、魔騎士)
中でも巫女がおすすめ。サムライと掛け合わせた巫女の第二世代は普通に20*4という攻撃力をたたき出すし、それが第四世代あたりになると70*4とかいう尋常じゃない攻撃力になるので巫女一人で大抵のモンスターをほふれるようになる。最終的に歴代最強の巫女は強さ500を超えるぐらいまでに育っていた。
また衰退年齢が30以上の団員のみ子作りさせよう。早く引退してしまう団員だと子供にも受け継がれてしまうので意味が無い。
All You Need Is Kill
ハリウッドで映画化されると話題のループ物のSF小説。
ガンパレードマーチのように世界が謎の敵性生物のために突如侵略され人類が滅亡の淵へと追い込まれつつある状況で初年兵の主人公は一兵士として戦場に参加するもののあっけなく戦死してしまう。しかし、主人公が意識を取り戻すとそこは戦死する一日前の朝だった。
短い話ながら設定がとてもしっかりと作りこまれているし、主人公の葛藤も描きながらもテンポ良く場面展開していくので没入感も高くだれることなく一気に読み進められる。なので読み始めたら面白くてあっという間に読み終わってしまった。
ただ、全体的にとてもよくできているのだけれど、SFの謎となる部分に簡単なりにでもちゃんと説明がなされるので「一体こいつらどういう存在なんだってばよ!?」とか「これから世界はどうなっていっちゃうんだよ!?」というSFを読んでてよくある未知の世界に対するワクワク感はあまりなく、もっぱら主人公の内面部分へフォーカスされているので世界観のスケールが読んだ以上には広がらないのが少し残念だった。敵性生物が地球に突如現れた理由とか、そこらへんをもっとぼかすなりしてくれていたらもっと空想の余地が広まって面白くなったのでは、と思う。
設定も面白いしそれを上手に料理してあるので久しぶりに日本産の面白いSF小説を味わえて楽しかった。
ガンパレードマーチのように世界が謎の敵性生物のために突如侵略され人類が滅亡の淵へと追い込まれつつある状況で初年兵の主人公は一兵士として戦場に参加するもののあっけなく戦死してしまう。しかし、主人公が意識を取り戻すとそこは戦死する一日前の朝だった。
短い話ながら設定がとてもしっかりと作りこまれているし、主人公の葛藤も描きながらもテンポ良く場面展開していくので没入感も高くだれることなく一気に読み進められる。なので読み始めたら面白くてあっという間に読み終わってしまった。
ただ、全体的にとてもよくできているのだけれど、SFの謎となる部分に簡単なりにでもちゃんと説明がなされるので「一体こいつらどういう存在なんだってばよ!?」とか「これから世界はどうなっていっちゃうんだよ!?」というSFを読んでてよくある未知の世界に対するワクワク感はあまりなく、もっぱら主人公の内面部分へフォーカスされているので世界観のスケールが読んだ以上には広がらないのが少し残念だった。敵性生物が地球に突如現れた理由とか、そこらへんをもっとぼかすなりしてくれていたらもっと空想の余地が広まって面白くなったのでは、と思う。
設定も面白いしそれを上手に料理してあるので久しぶりに日本産の面白いSF小説を味わえて楽しかった。
2012年10月9日火曜日
海の御先
藍より青し
のテイストにさらなる磨きがかかった文月晃節全開のハーレム漫画。
手に取る前「おー、藍より青しの作者のかぁ。どうせまたハーレムものなんだろうなぁ」
12巻読了時「・・・奥津島でくらしてぇ・・・。・・・巫女すげぇ・・・」
藍より青しであった主人公達をとりまくシリアスなストーリー的なものはほぼなく、ひたすら主人公と三人の巫女による中学生の初恋のような甘酸っぱいやり取りが開放的な南の島でのんびりと展開していく。で、話の都合上、主人公は三人の巫女と一緒に時間を過ごさなければならず、三人の巫女もなんだかんだと主人公に徐々に魅かれていき、中学生のような甘酸っぱい恋愛といってもそこは高校生なので段々と肉欲的なものになっていき、巻をおうごとにその表現もどんどんと過激になっていく。徹底的に大人の干渉が排除されているのも今作の特徴で、高校生ながらかなりの完成されたハーレム状態が用意されている夢のような設定を舞台に主人公は特に何をするでもないながら三人の巫女を次々と魅了していくというハーレムものの王道をこれでもかとひた走るいさぎよさに、三十路すぎのおっさんが読むにはちとつらいものがあるものの、それぞれの巫女が可愛いらしくてたまらないのでときに悶絶しながらさくっと読み進めてしまった。
主人公達は高校生ということで同級生もまれに登場することがあるけれど本編でからむことはほぼなく、主要な登場人物の保護者達が現れることもほぼなく、ひたすら主人公と三人の巫女たちの恋愛にフォーカスされているので物語の深みとか、予想外の展開とかはほとんど無いけれど今作はそんな瑣末なことに心惑わされることなく三人の巫女の可愛さを十全に堪能することこそが主題となっているので、今作を手にとる場合はそこを履き違えてはいけない。
久しぶりにすがすがしいハーレム物を読んで気分が高揚した。そろそろ話も佳境に入っていると思われるので、是非とも素敵なハッピーエンドで物語を締めてもらいたいものだ。
手に取る前「おー、藍より青しの作者のかぁ。どうせまたハーレムものなんだろうなぁ」
12巻読了時「・・・奥津島でくらしてぇ・・・。・・・巫女すげぇ・・・」
藍より青しであった主人公達をとりまくシリアスなストーリー的なものはほぼなく、ひたすら主人公と三人の巫女による中学生の初恋のような甘酸っぱいやり取りが開放的な南の島でのんびりと展開していく。で、話の都合上、主人公は三人の巫女と一緒に時間を過ごさなければならず、三人の巫女もなんだかんだと主人公に徐々に魅かれていき、中学生のような甘酸っぱい恋愛といってもそこは高校生なので段々と肉欲的なものになっていき、巻をおうごとにその表現もどんどんと過激になっていく。徹底的に大人の干渉が排除されているのも今作の特徴で、高校生ながらかなりの完成されたハーレム状態が用意されている夢のような設定を舞台に主人公は特に何をするでもないながら三人の巫女を次々と魅了していくというハーレムものの王道をこれでもかとひた走るいさぎよさに、三十路すぎのおっさんが読むにはちとつらいものがあるものの、それぞれの巫女が可愛いらしくてたまらないのでときに悶絶しながらさくっと読み進めてしまった。
主人公達は高校生ということで同級生もまれに登場することがあるけれど本編でからむことはほぼなく、主要な登場人物の保護者達が現れることもほぼなく、ひたすら主人公と三人の巫女たちの恋愛にフォーカスされているので物語の深みとか、予想外の展開とかはほとんど無いけれど今作はそんな瑣末なことに心惑わされることなく三人の巫女の可愛さを十全に堪能することこそが主題となっているので、今作を手にとる場合はそこを履き違えてはいけない。
久しぶりにすがすがしいハーレム物を読んで気分が高揚した。そろそろ話も佳境に入っていると思われるので、是非とも素敵なハッピーエンドで物語を締めてもらいたいものだ。
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