2012年11月2日金曜日

All You Need Is Kill

ハリウッドで映画化されると話題のループ物のSF小説。



ガンパレードマーチのように世界が謎の敵性生物のために突如侵略され人類が滅亡の淵へと追い込まれつつある状況で初年兵の主人公は一兵士として戦場に参加するもののあっけなく戦死してしまう。しかし、主人公が意識を取り戻すとそこは戦死する一日前の朝だった。

短い話ながら設定がとてもしっかりと作りこまれているし、主人公の葛藤も描きながらもテンポ良く場面展開していくので没入感も高くだれることなく一気に読み進められる。なので読み始めたら面白くてあっという間に読み終わってしまった。

ただ、全体的にとてもよくできているのだけれど、SFの謎となる部分に簡単なりにでもちゃんと説明がなされるので「一体こいつらどういう存在なんだってばよ!?」とか「これから世界はどうなっていっちゃうんだよ!?」というSFを読んでてよくある未知の世界に対するワクワク感はあまりなく、もっぱら主人公の内面部分へフォーカスされているので世界観のスケールが読んだ以上には広がらないのが少し残念だった。敵性生物が地球に突如現れた理由とか、そこらへんをもっとぼかすなりしてくれていたらもっと空想の余地が広まって面白くなったのでは、と思う。

設定も面白いしそれを上手に料理してあるので久しぶりに日本産の面白いSF小説を味わえて楽しかった。

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