2011年9月25日日曜日

時砂の王

10万年戦った王の話



300ページ弱の小説なのであっという間に読み終えてしまうけれど、読み終えるまでの没入感がとても激しかった。ぐいぐいと物語の中に意識を引っ張っていってくれたので、読後しばらくぼーっとしてしまったほど。主人公であるオーヴィルを色々な角度から丁寧に描ているので、読み進めるうちに彼の深みが増し、心情がひしひしと伝わってくるようになった。良い小説を読んだ後に感じる胸にぽっかり穴が空いた気分がしばらく離れなかった。