2017年2月17日金曜日

風の大地


青年沖田の波乱万丈なゴルファー人生。

各回の最終ページは必ず詩が載っていてそれが時代を感じさせる。現在68巻まで刊行中だがいまだに昭和の風を感じさせるのはさすがだ。また要所で提示されるウガ神の名言はゴルフをたしなむ人なら勉強になること間違いない。

以下、風の大地の感想。激しいネタばれがあるので注意。



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感情の欠落
ゴルフ歴わずか3年という短さながら全英オープンをはじめ4大メジャーすべてで2位を記録するなど尋常じゃない結果を残す。そのためなのか初期の沖田は表情豊かな青年だったのにプロになってからは感情表現を行わないようになり、ついにはきれいなジャイアンと見紛うばかりとなってしまう。


キョトンとした表情も初々しい沖田。


職務に忠実な沖田。


喜び勇む沖田。


恐怖をあらわにする沖田。


焦りをたたえた沖田。


感情の振り子が振り切れた沖田。

このように感情表現が豊かである。

しかしプロに入ってからアジアサーキットにいたるころにはすでにきれいなジャイアン化が進み、表情が抜け落ちてしまう。


目がうつろな沖田。


怒りを覚えながらも表情に表れない沖田。

参考:きれいなジャイアンの画像検索結果


不幸
沖田は貧乏神でも呼び寄せているのか、とかく沖田の周りで不幸が起こる。列挙すると、まず死ぬ。やたらと人が死ぬ。話の展開の都合か、トーナメントが終わると死んだり、怪我をしたり、拉致されたりする。また沖田とともにいると交通事故に巻き込まれる。沖田と親しくしていた研修生はプロテストで最高の結果を出しながら最後の最後に怪我で泣く。沖田と親しく付き合いのあった会社社長は親会社が潰れて首をくくりかける。

それと沖田とラウンドするやつは大抵性格が破綻している。長谷川、アベル・コスタ、グレッグ・オーウェンと枚挙に暇がない。これもそれも沖田の星のめぐり合わせと思われる。


ウガ ゴッド
元々はプロを目指した研修生だったけれど、その道を諦めゴルフコースの食堂のコックになったウガ。彼は研修生時代の沖田に大量の助言を授けており、また沖田がピンチになると空より現れて適切な助言を思い出させる存在。風の大地はウガ神の預言詩としての側面も持つ。


ウガゴッド、空に現れるの図。


OKバーディ
以下はOKバーディをもらうための国会議員流の交渉術。


まずは打つ気を見せる。


交渉は相方に任せる。


相手を脅してみる。

この間10Pほどを割いていたので実際には少なくない時間交渉していた模様。ただ注意が必要なのはこの交渉の結果OKバーディはもらえず国会議員ははずす事に。


ナルトコラ
ナルトコラのように言葉を執拗に繰り返すのも風の大地の特徴。

例:
「打ちたい。ボールを強く打ちたい。勇気をもってボールを強く打ちたい。」
「星がきらめいた。東の空の星がきらめいた。」

登場人物みんなこんな感じ。

参考:ナルトコラの画像検索結果


まとめ
色々言ったけど面白い。進みが遅いのでまとめ読みがおすすめ。