アンドロイドが日常に溶け込み、外見からは人間との見分けがつかないながら人間とアンドロイドの間には意識、無意識の隔絶がある時代を背景に、アンドロイドと人間のつながりがほのぼのと描かれていく。
期待せずになんとなく手に取ったら大当たり。久しぶりに時間を忘れて見入ってしまった。
ロボット原則のため、人間と瓜二つの外見ながら淡々と無機質に人間の雑用をこなしていくアンドロイドが、その実、人間となんら変わることのない表情豊かな感情を内部では有していて、さらにその方向性が「主人は何を考えているのだろう、どうしたら喜ばせることができるのだろう」というなんとも健気さ一途で、登場するアンドロイドの可愛らしい外見と相まって愛しさが爆発してしまう。
主人公(?)の男子高校生達のやりとりも高校生らしい初々しさがあり、アンドロイドと段々と仲良くなっていく様は見ていてほのぼのされるけれど、ちょこちょこと過去の出来事などが語られて人物造形に深みがもたらされるので感情移入もできるし後半は少し目頭が熱くなったりもした。
誰にでもお勧めの良作。
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