2012年11月12日月曜日

Dishonored


無実の罪を着せられた男がスーパーパワーとともに復讐を果たしていく物語。

Skyrimをもっとアクション寄りにして、昔のスプリンターセルのように高所や暗所に潜みつつ、邪魔な敵キャラを暗殺したり、スーパーパワーで蹴散らしたり、やり過ごしたりと色々できるステルスアクションゲーム。スーパーパワーには瞬間移動(Blink)や、敵の動向を壁越しに確認できるもの(Dark Vision)、動物や人間に憑依(Possession)したり、身体能力を高め(Agility)たりと全部で10種類の技能があり、自分のプレイスタイルにあわせて選択すればよい。パワーの獲得にはRuneと呼ばれるプレイ中に拾うアイテムが必要なのでよく考えて取捨選択する必要がある。ステルスでやっていくならば、Blinkのレベル2とDark Visionのレベル2がそろえばほとんどの場面で敵をやり過ごすことが可能になるので、Runeを他の技能に無駄遣いしないほうがよいだろう。あわせて時間をとめるBend Timeのレベル2が手に入ればステルスで困る場面に遭遇することはなくなると思う。

難易度はEasyからVery hardまで4種類あり、おもに敵の強さと敵の気付きやすさが変わるだけのようで、Very hardでプレイしてもステルスでやっていく分にはあまり大差がなかった。Normalでやっていても敵に発見されて複数人にかこまれるとなぶり殺しにあったりするので、そこらへんは注意しなければならない。

邪魔な敵はすべて殺さなくても気絶させてやりすごせるので、後ろから首を絞めて気絶させたり、麻酔矢で眠らせたりした後に敵を物陰に隠しておけばミッションクリア後の評価でLow Chaos(搭乗人数の20%以下の殺人)、No Kills(誰も殺していない)、Ghost (誰にも発見されていない、死体や気絶している人も発見されてない)を獲得できる。Chaosの上下によって会話や敵の配置、ストーリーの結果が変わるので色々と試すとよいだろう。

Emilyは画像で見ると可愛いけれどモデリングは残念な感じなのがいかにもBethesdaっぽい。読み込みも速くサクサクとゲームが進んでいくのでイライラすることはほぼなかった。ただどこかに忍び込んだりするには各施設で進入経路が大体2つ(敵の前面か裏面 - 軒伝いの2階、または裏口、または鼠になる)ぐらいしかないのでさほどバリエーションがあるわけではなく、Hitmanみたいな自由度があるのかと思っていたので少し残念だった。ただ全体的にはとてもよくできているので手にとって損のない作品だ。


~ミッション評価のからくり~
・Chaos
 全体を通して敵登場数の20%以下の殺人だとLowになる。

・殺人
 Arc Pylons、Wall of Lights、Wtchtowersでの殺人もカウントされる。
 Wolfhound、Rats、Hagfish、River Krustは殺してもカウントされない。
 Weeperは殺すとカウントされる。

・発見
 赤い発見マークが表示された場合はカウントされる。
 Rats、Hagfish、River Krustに見つかってもカウントされない。
 Wolfhoundに見つかるとカウントされる。Wolfhoundの死体が見つかってもカウントされる。
 Weeperに見つかってもカウントされる。
 フレンドリーキャラクターに見つかってもカウントはされない。

2012年11月2日金曜日

ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~


滅びの予言を回避するために不死の男が100年間部隊を率いて各地を転戦する話。

何よりも音楽が秀逸。今作のPVはゲームPV史上でも指折りのできで未見の人は是非観てほしい。サントラが欲しいけれどまだ出ていない模様。なぜだろう。

ゲーム内容は団員同士が結婚するように隣同士、前後などに配置して親密度をあげて結婚させて子供を生ませるなどをしつつ、各地にあらわれるモンスターをしらみつぶしにつぶしていく、ということを100年間続けていく。全体として、前半50年まではイベントも多く面白いけれど、後半の50年はイベントも少なく、ぼこぼこと湧き出るモンスターをただ討伐していくだけの展開でプレイ時間だけがだらだらとかかるのでつらい。また前半で優秀な職種の子供達が得られないとここらへんから展開がきつくなり普通に詰む結果になることも。なので前半から団員の職種、寿命、結婚、出産はよく吟味、考慮して計画的に行っていないと「クソゲーかこれは!」という事態に陥る。さらに優秀な子供達が出てくれば出てくるで、いままであった戦略的な戦闘配置などは不要になり、ゴリ押しでモンスター討伐が可能になってしまうのでそれもゲームを単純化させる一因となっている。

せっかくの出産システムも子供達が成人して入団してきても血統的なつながりを確認するすべがないことから団員への思い入れを刺激することができず、本当の作業になってしまったのが残念だった。せめて家計図やら、子供達の姓は名前・母の姓・父の姓となるようになっていれば「おー、こいつはあいつらの子供なのかー」とか分かって面白かったのになぁと惜しまれる。

ベースとなっているアイディア自体はすこぶる良いのに、それの調理方法に失敗している印象の今作だけれども全体としては良ゲーの部類に入ると思う。人物の深みがいまいちない(数百年生きてる人間があんなに軽い感じなのはいかがなものか)とか、シナリオが軽い(街の住人たちの物語への関わり方とか理由付けがご都合主義すぎて説得力が皆無)とか、ほかにも微妙な点は多々あるけれど、総合的にみて手にとって損のない作品であることは確か。


~下記簡単な職種別結婚のすすめ~
※「断絶」となっている職種は切り捨てるべし
戦士 →断絶
僧侶 →断絶
剣闘士 →断絶
騎士  →断絶
アーチャー →ヴァルキリー
幻術師 →魔女、ニンジャ、巫女、聖騎士
サムライ →魔女、ニンジャ、巫女、聖騎士
冒険者 →魔女、神官、聖騎士
魔術師 →魔女、神官、聖騎士
祈祷師 →魔女、ニンジャ、聖騎士
魔騎士 →誰とでも(強いてあげるなら魔女、神官、聖騎士)

神官 →魔術師、冒険者、魔騎士
魔女 →魔術師、サムライ、冒険者、魔騎士
ヴァルキリー →アーチャー
ニンジャ →幻術師、祈祷師、サムライ、魔騎士
巫女 →幻術師、サムライ、魔騎士
聖騎士 →誰とでも(強いてあげるなら魔術師、冒険者、魔騎士)

中でも巫女がおすすめ。サムライと掛け合わせた巫女の第二世代は普通に20*4という攻撃力をたたき出すし、それが第四世代あたりになると70*4とかいう尋常じゃない攻撃力になるので巫女一人で大抵のモンスターをほふれるようになる。最終的に歴代最強の巫女は強さ500を超えるぐらいまでに育っていた。

また衰退年齢が30以上の団員のみ子作りさせよう。早く引退してしまう団員だと子供にも受け継がれてしまうので意味が無い。

All You Need Is Kill

ハリウッドで映画化されると話題のループ物のSF小説。



ガンパレードマーチのように世界が謎の敵性生物のために突如侵略され人類が滅亡の淵へと追い込まれつつある状況で初年兵の主人公は一兵士として戦場に参加するもののあっけなく戦死してしまう。しかし、主人公が意識を取り戻すとそこは戦死する一日前の朝だった。

短い話ながら設定がとてもしっかりと作りこまれているし、主人公の葛藤も描きながらもテンポ良く場面展開していくので没入感も高くだれることなく一気に読み進められる。なので読み始めたら面白くてあっという間に読み終わってしまった。

ただ、全体的にとてもよくできているのだけれど、SFの謎となる部分に簡単なりにでもちゃんと説明がなされるので「一体こいつらどういう存在なんだってばよ!?」とか「これから世界はどうなっていっちゃうんだよ!?」というSFを読んでてよくある未知の世界に対するワクワク感はあまりなく、もっぱら主人公の内面部分へフォーカスされているので世界観のスケールが読んだ以上には広がらないのが少し残念だった。敵性生物が地球に突如現れた理由とか、そこらへんをもっとぼかすなりしてくれていたらもっと空想の余地が広まって面白くなったのでは、と思う。

設定も面白いしそれを上手に料理してあるので久しぶりに日本産の面白いSF小説を味わえて楽しかった。