2012年10月9日火曜日

海の御先

藍より青しのテイストにさらなる磨きがかかった文月晃節全開のハーレム漫画。



手に取る前「おー、藍より青しの作者のかぁ。どうせまたハーレムものなんだろうなぁ」
12巻読了時「・・・奥津島でくらしてぇ・・・。・・・巫女すげぇ・・・」

藍より青しであった主人公達をとりまくシリアスなストーリー的なものはほぼなく、ひたすら主人公と三人の巫女による中学生の初恋のような甘酸っぱいやり取りが開放的な南の島でのんびりと展開していく。で、話の都合上、主人公は三人の巫女と一緒に時間を過ごさなければならず、三人の巫女もなんだかんだと主人公に徐々に魅かれていき、中学生のような甘酸っぱい恋愛といってもそこは高校生なので段々と肉欲的なものになっていき、巻をおうごとにその表現もどんどんと過激になっていく。徹底的に大人の干渉が排除されているのも今作の特徴で、高校生ながらかなりの完成されたハーレム状態が用意されている夢のような設定を舞台に主人公は特に何をするでもないながら三人の巫女を次々と魅了していくというハーレムものの王道をこれでもかとひた走るいさぎよさに、三十路すぎのおっさんが読むにはちとつらいものがあるものの、それぞれの巫女が可愛いらしくてたまらないのでときに悶絶しながらさくっと読み進めてしまった。

主人公達は高校生ということで同級生もまれに登場することがあるけれど本編でからむことはほぼなく、主要な登場人物の保護者達が現れることもほぼなく、ひたすら主人公と三人の巫女たちの恋愛にフォーカスされているので物語の深みとか、予想外の展開とかはほとんど無いけれど今作はそんな瑣末なことに心惑わされることなく三人の巫女の可愛さを十全に堪能することこそが主題となっているので、今作を手にとる場合はそこを履き違えてはいけない。

久しぶりにすがすがしいハーレム物を読んで気分が高揚した。そろそろ話も佳境に入っていると思われるので、是非とも素敵なハッピーエンドで物語を締めてもらいたいものだ。